運送業は、モノを動かすエネルギー、人材、そして時間など莫大な労力や時間を必要とする業界です。
これらのことについて効率化を行うにはどうすればよいのでしょうか。
そこで今回は、運送業の効率化というテーマで利用を検討したいポイントを5つ紹介し、そのメリットも解説しましょう。
運送業を効率化させるポイント5選
運送業を効率化させるポイントとして次の点を挙げます。
・アウトソーシングの推進
・DX化を目指す
・現場作業の点検
・共同配送の導入
・拠点や輸送網の集約化
まず、アウトソーシングの推進が挙げられます。
運送業は、トラックによる輸送だけでなく時に倉庫管理などの業務を行うケースがあります。
そういった業務を外部の企業に委託することで、本業である運送業に集中できるのです。
運送業に携わっていたら徐々に手間やコストのかかる物流業務を行っていたというケースも見られるため、そういった業務を専業の外部企業に委託することは効率化を目指すうえで大きなポイントとなります。
また、発生していた運送に関するミスやトラブルを減らすことで担当者の負担を減らせる点もポイントです。
さらに時期によって荷量が変動しても常に外部企業と調整して最適な人員で対応できる点も効率化の恩恵といえるでしょう。
DX化とはデジタルトランスフォーメーション化の略です。
かつてIT化と呼ばれる動きがありましたが、それを一歩進んで自社だけでなく協力会社やひいては社会に良い影響をもたらす試みのことを言います。
先ほどの効率化でも紹介したようにアウトソーシングの推進によって自社だけで運送業を運営することは徐々に減りつつあります。
そのため、外部との連携を効率化するという意味でもコンピューターやソフトウェア、タブレットなどのデジタル技術を活用することで効率化を狙います。
また、自社ニアではIT技術システムを導入して、根本的な業務効率化を目指すのもポイントです。
具体的には、QRコードやバーコードなどのハンドスキャナーを導入して正確な検品を行ったり、誤ったトラックに荷物を載せてしまうといった荷役ミスをなくしたりします。
また、効率の良い運送のためのルートを導くといったことで燃料費の削減やドライバーの負担軽減といった効率化も可能です。
アナログ面ので効率化も目指しましょう。
現場の作業を点検して効率の悪い部分を改善します。
具体的には次の点をチェックするのがおすすめです。
・業務フロー
・日常業務内容
・拠点のレイアウトの見直し
まず業務フローとして非効率な工程がないか確認します。
工程を発見したらそれを削減することや、より効率化できる工程があれば、その工程と差し替えるといったことを行います。
日常業務の点検も行います。
当たり前と思われるような業務も手順を振り返ると無駄だらけというケースが珍しくありません。
必要な作業なのか自問自答し、必要ないと判断したら思い切って削減してしまう方法もあります。
運送業を行ううえで荷役などを担当している拠点の見直しも効率化に有効です。
ロケーション管理といって荷役やピッキングが効率的にできているか、時間が短くできる導線はないかといった見直しをすることでも大幅な効率化が実現できます。
これら現場の作業内容も効率化として点検してみましょう。
共同配送や運送を導入するという方法もあります。
従来であれば、各社とも自社の荷物は自社で責任をもって自ら運ぶというのがほとんどでした。
そのため、独自にトラックを手配して運送業を行っているため、荷量がほとんどない状態でも大型のトラックで運ぶといったケースがあったのも事実です。
しかも現代になってもそういったケースは意外に多くあります。
こういった状況を打破できるのが共同輸配送と呼ばれる効率化手法です。
複数の会社が共同で同じトラックに荷物を相乗りさせて同一ルートへ運ぶという手法で、トラックの手配数が減るだけでなく、環境負荷も低減できることから注目されています。
実際、すでに導入済みという企業がかなり増えてきている効率化手法です。
拠点や輸送網も集約化させましょう。
まず、拠点が多い分最短距離で移動できるなどメリットが多くあります。
一方で、拠点を増やすたびに拠点の維持費、つまり賃料などの不動産関係の出費や光熱費、さらには常駐させるスタッフの人件費や設備の維持費など莫大な費用が発生します。
そのため、拠点を減らしてその分効率化を図るのもポイントです。
ただし、維持できる輸送網が減る可能性もあり、そうなった場合は不採算の輸送網を縮小あるいは集約化するといった試みを行うのも効果的といえます。
運送業で効率化させるメリットとは?
安易に効率化させると、サービスの質や安全性が損なわれると思われがちです。
しかし、効率化がスムーズにできれば次のようなメリットが得られます。
・コスト削減
・クオリティの向上
拠点の維持費や余計な操作、ほとんど荷物を運んでいないトラックを走らせる経費といった無駄な経費を削減できます。
運送業はもともとコストが多くの場所で発生する業界でもあるため、コストを削減することで運送会社の経営状態もより良いものになるメリットがあります。
また、削減した分を残った拠点の更新や従業員の処遇改善、さらにはトラックの更新といった資源に回せる可能性も出てくるでしょう。
効率化するとクオリティが下がると思われがちです。
しかし、実際に効率化を達成すると運送サービスのクオリティ向上も期待できます。
具体的には効率的に荷物を動かせるようになるため運ぶ時間を短縮したり、ミスが大幅に減らせることで運送業にありがちなトラブルを軽減できます。
これらによって顧客の信頼向上やリピーター獲得といった恩恵も得られるでしょう。
まとめ
物流の一翼を担う運送業は業務効率化を導入することで事業運営に多くのメリットをもたらします。
そして得られたメリットをサービスの拡充や従業員の待遇改善といったものの推進に当てることでプラスの連鎖を生み出せます。
今回紹介したポイントを押えつつ、自社で可能な限り対応し、効率化を実現させましょう。