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ー運送保険って何?補償内容や加入するメリット・注意点について解説ー

 

「運送保険ってどんなもの?」

「運送保険に入るメリットって?入らないリスクってある?」

 

運送保険の存在を知っていても、内容やメリットなどについて、詳しくは知らない人も多いのではないでしょうか。

 

運送保険とは、運送業者が加入する保険のことです。運送業者が荷主から預かった荷物を運送中に傷つけてしまった場合の損害を補償してくれるものとなっています。

 

今回は、運送保険の概要や加入するメリット・注意点などについて解説します。

この記事を読んで、運送保険に関する基本的な知識を身につけましょう。

 

運送保険とは?

ここでは、運送保険の概要や基本的な補償内容などについて説明します。

運送会社が入る賠償責任保険

運送保険とは、運送業者が入る保険のことです。

 

正式名称は「運送業者貨物賠償責任保険」と言い、運送業者が顧客から預かった荷物に対し、運送中に損害を与えてしまった場合の賠償責任を補償してくれる保険となっています。

 

運送業者にとっては、運送保険はとても重要なものです。運送中の事故で商品を傷つけた場合、商品を元通りにして顧客のもとへ返すのは、大変難しいことです。

 

そのため、運送業者に落ち度がない場合でも、顧客へ損害賠償をする必要があります。そんな時に運送保険に加入していると、弁償額をカバーしてもらえるのです。

 

ただ、顧客に対する弁償を必ずしもすべてカバーしてくれるわけではありません。運送保険の契約タイプによって、どのレベルの損害をカバーしてくれるかが異なるため、運送会社が支払う保険料によってカバーの度合いは左右されます。また、荷物によっても保険の効き方が異なるため注意が必要です。

 

運送保険への加入を検討している場合は、契約タイプと荷物に応じた扱い方法をきちんと確認しておくことが大切となるでしょう。

 

運送保険と貨物保険の違い

運送保険と似たものとして、貨物保険というものがあります。ここでは、運送保険と貨物保険の違いについて解説します。

 

運送保険と貨物保険では、契約者と保険の対象が異なるのが大きな違いです。

 

運送保険は、運送業者が顧客からの賠償請求に備えるための保険であることに対し、貨物保険は、運送業者や荷物の所有者が貨物のために備えておく保険を指します。

 

貨物保険の補償内容としては、貨物の傷の有無などを確認する検査費用、代替品の輸送費用、交換・廃棄するための費用などが挙げられます。

運送保険の基本的な補償内容や相場について

補償内容は、契約プランや扱う荷物によって異なり、主に以下の2つのタイプに分けられます。

 

・ほぼ全ての損害をカバーしてもらえる契約タイプ

こちらのタイプでは、故意に近いような過失である場合を除き、ほとんど全ての事故に対して補償されます。例えば、荷物保管ケースの故障や雨風で濡れた場合の損害などもカバー対象ですが、その分保険料も高くなります。

 

・典型的なケースのみをカバーしてもらえる契約タイプ

こちらでは、運送中の事故に対する補償の範囲を、典型的なケースのみに絞ったものです。火災や盗難、紛失などでは保険金が支払われますが、腐敗による損害や梱包の不完全、天災などによる損害は補償の対象外となります。そして、支払う保険金も少なくなります。

 

また、運送保険料の相場は、年間で20万〜50万円ほどが目安です。補償の内容や相場は、保険の契約タイプや会社によって異なるため、自社の事業形態に合わせた保険を選ぶことが重要となります。

 

運送保険に加入するメリットと注意点

ここからは、運送保険に入るメリットや入らないリスク、注意点について説明します。

 

運送保険に入る上でのメリット4つ

運送保険に加入するメリットは、主に4つ挙げられます。

 

1.自分に落ち度のない偶然の事故などでも補償される

2.物損事故など自賠責保険(事故の加害者が負う経済的負担を補償)適用外の補償をまかなえる

3.特別な条件を付け補償の期間や範囲を広げることができる

4.特別な条件を付け貨物の状態を確認する費用や事故の後処理費用を補償できる

 

特に2つ目の自賠責保険適用外の補償をまかなえる点が大きなメリットとなるでしょう。自損事故や物損事故など、事故の内容によっては、自賠責保険の適用外となってしまうケースも多くあります。運送保険に入っていることにより、弁償額を補償してもらえるのです。

 

運送保険に入る上での注意点5つ

運送保険は、運送業者が入るべき重要な保険ですが、入る上で注意しておくことがあります。

 

1.わざと起こした事故や重大な過失が原因の場合は補償されない

2.海外への輸出入は別の保険に加入する必要がある

3.美術品や骨とう品などの高価なものは保険金に制限がある

4.貨幣や生鮮食料品、植物などは補償の対象外または保険の範囲が制限される

5.補償金額に上限がある

 

運送保険は、荷物の輸送時に起こるさまざまなトラブルに対して補償してくれる有用な保険ではありますが、内容次第では補償の対象外となります。

 

補償金額に上限がある点は注意が必要で、上限に達すると賠償は自己負担です。とは言え、補償の内容や上限を良くすればするほど保険額が高くなってしまい、会社の資金問題に影響が出る可能性もあります。

 

保険に入る際は、会社の事業に沿った保険を選択するようにしましょう。

 

加入しないと全額損害賠償のリスクが大きい

運送保険に加入していない場合、事故を起こし荷物に損害を与えると、荷主に対して全額損害賠償をしなければならないリスクがあります。

 

荷物が多かったり、金銭的価値が高ければ高いものほど、運送業者の負担が大きくなるでしょう。そのため、弁償額が補償される運送保険に入ることはとても重要なのです。

 

また、保険料には上限があり、宝石や美術品など貴重な財産となるものに対しては、運送保険だけではまかないきれない場合があります。このようなケースでは、荷主が別で保険に入ることもあります。

まとめ

今回は、運送保険について補償内容やメリットなどを詳しく説明しました。

 

運送保険は、運送業者が加入するもので、入ることで輸送中に起きた損害に対する補償が受けられます。特別な条件を付けることで、補償内容をアレンジすることも可能です。

 

運送保険に加入する際は、さまざまな種類を比較したうえで、自分の事業に合った保険を選ぶようにしましょう。

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